医療法人設立支援

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医療法人設立支援

医療法人設立支援イメージ

個人から医療法人へ組織変更するには、一定の届出・認可が必要になります。医療法人化する目的は、事業承継対策・税金対策・福祉事業への展開目的等さまざまですが、メリット・デメリットを考慮したうえでの設立が必要不可欠といえます。平成19年4月1日施行の医療法改正により、医療法人解散時における残余財産の帰属が国若しくは地方公共団体又は医療法人その他の医療を提供する者等になることになっています。したがって、医療法人の出資者への残余財産は返還されないことになりますので設立のうえでは、十分に考慮が必要になってきます。

1.医療法人の性格

  1. 医療法人は、法人の得た利益(剰余金)を配当などのかたちで、分配することを禁止しています。(医療法54条
    法上の会社などの営利法人には該当しません。
    1. ア、医療法人の営む医療事業には非常に収益性が高い事業であり、また、医療法人には公益法人のように積極的な公益性が要求されていない
    2. イ、社団形式の医療法人は出資持分を有することができ、退社などに際し持分に応じた払戻しが受けられる、というような医療法人特有の性格がある。
    医療法人は純然たる公益法人ではない。

医療法人は、公益法人でも営利法人でもなく、いわば両者の中間的性格を持つ、医療法による特殊法人であるといえます。

2.医療法人の非営利性

医療法人の非営利性は、法律上以下の3点が明記されています。

① 剰余金の配当禁止
医療法第54条に剰余金の配当禁止規定を定め明確化しています。
医療法人は商法上の会社などと違い営利性のない法人
② 商行為の禁止
医療法人が行うことができる業務は医療法第39条と第42条により、病院、診療所、介護老人保健施設の経営という本来の業務(本来の業務に付随した業務を含む。)と付帯業務だけに限定されており、それら以外の業務を営むことができないようになっています。
③ 解散時の残余財産の帰属先の制限
医療法人が解散した場合には、残余財産の帰属が国若しくは地方公共団体又は医療法人その他の医療を提供する者等になることが明確にされた。すなわち、医療法人の出資者へ残余財産は返還されないこととなる。

3.医療法人のメリット・デメリット

メリット

(1)税務上のメリット

医療法人のメリット・デメリット
① 所得に対する税負担の軽減
医療法人により、所得を最高50パ-セントで課税される個人所得税から、最高でも約35パ-セントの税率で課税される法人へシフトし、更に給与所得控除額の適用を受けることによって、所得に対する税負担を軽減できる。
② 役員退職金の支給
個人の場合には、院長および専従者への退職金の支給は必要経費にならないが、法人の場合はその支給が損金となる。しかも、退職金に対する課税は、退職所得控除があり税負担が比較的少ない。
③ 生命保険料の損金算入
個人の場合には、生命保険料をどんなに払っても最高12万円の所得控除があるだけであるが、法人で契約した場合には支払った保険料の半分(契約の仕方により一部の場合あり)が損金となる。
④ 妻に対する給与額の届け出不要
個人の場合には、親族に給与を支払う場合には事前に税務署へ届け出をすることを要するが、法人の場合は届け出が不要である。

(2)運営上のメリット

① 医業と家計の分離
医療法人化により、医業経営と家計が分離され、経営の実態が把握しやすくなる。
② 事業年度の自由設定
個人の場合には、毎年1月1日から12月31日迄が計算の期間と定められているが、法人の場合には任意の1年間とすることができる。
③資金の集積を容易にする
個人の場合以上に、経営母体がしっかりするため、銀行等に対する対外的な信用力の違いにより資金調達が容易になる。
④医療機関の永続性
医療法人化により経営に永続性を持たせることができ、私人による医療事業の経営困難を緩和する。このことにより、高額医療機器の導入が容易になることや、地域医療の供給が安定することとなる。

デメリット

(1)税務上のデメリット

① 剰余金の配当禁止
医療法人は剰余金の配当が禁止されているため、利益がそのまま法人に留保され個人において自由に使うことができない。
② 交際費の損金算入制度あり
個人には法律上の規定はないが、法人には次の区分に応じて損金算入限度額が決められている。
出資金 10,000万円以下 年600万円
10,000万円超 0円
③ 小規模企業共済の脱退
個人の時に掛けて所得控除の適用を受けていた小規模共済制度は、医療法人化後は脱退しなければならず、所得控除がなくなる。
④ 消費税の納税
平成9年4月に施行された新消費税法では資本金(出資金)が1000万を超える法人の場合、設立初年度より消費税の納税義務者となり納税が発生します。

(2)運営上のデメリット

① 都道府県知事の指導、監督
個人で医院を開く場合には、保健所へ届ければよいが、法人で医院を行う場合には知事の認可が必要となる。また、法人設立後においても知事の指導、監督を受ける立場に置かれてしまう。
② 事務処理が煩雑となり手数がかかる
法人の場合の帳簿処理は複式簿記(収入金額、必要経費の記帳だけでなく、資産、負債も併せて記帳する)が要求されており、しかも県への決算届け出(毎年)、法務局への資産の総額変更登記(毎年)そして役員変更登記(2年毎)が必要となる。

4.医療法人設立の流れ

医療法人設立の流れ

神奈川県の場合、春・夏2回の申請があります。
下記は秋申請の例です。

1.事前相談(医療整備課) 9月下旬
2.設立準備作業(注) 10月下旬までに作業終了
3.設立総会 11月上旬
4.設立認可申請書の作成 11月中旬までに
5.事前審査(医療整備課医務班) 11月下旬~1月中旬
6.設立認可申請書の提出 1月下旬
7.本審査 (医療整備課) 2月より
8.現地調査
9.医療審議会に諮問(医療整備課-審議会)
10.医療審議会で審議 3月中 審査決定
11.医療審議会から答申(審議会-医療整備課)
12.認可の決裁(医療整備課)
13.認可書送付(医療整備課-保健所)
14.認可書交付(保健所-申請者)認可書と申請書副本が交付 4月中下旬
15.設立登記申請書類作成 司法書士へ 4月~5月
16.登記申請 5月
17.登記完了(法人設立) 5月
18.出資の払い込み 5月
19.医療法人設立登記完了届けの提出(医療整備課) 5月
20.法人診療所開設許可申請書の提出(保健所) 5月
21.法人診療所開設許可申請書の審理(保健所) 5月
22.法人診療所開設許可書交付(保健所-申請者) 5月
23.個人診療所廃止届け(保健所) 5月
24.法人診療所開設届け(保健所) 5月
25.保険医療機関指定の切替手続(県社会部保険課医療係) 5月
26.社会保険適用事業所加入手続 5月~6月

※準備作業

準備作業
  1. 定款案の作成
    • 名称決定
    • 事務所の所在地
    • 目的、法人設立の趣旨
    • 診療所の名称および開設場所
    • 会計年度
    • 理事 3人以上
      (未成年者・営利企業の役職員になっている方は不可)
    • 理事長 理事のうちの1人
    • 監事 1人
      (設立しようとしている法人と利害関係が深い方は不可。例:理事長の配偶者・両親・子・兄弟・姉妹・祖父母・孫・当該医療法人の税理士等・大家【ビル所有者】・従業員等)
  2. 社員候補者の選定
  3. 役員候補者の選定
  4. 診療所に係る土地および建物、医療機器、備品並びに薬品等の所有関係および価額等を確認
  5. 出資内容および出資額の検討
  6. (自己所有の土地、建物を法人と賃貸借する場合)適性と認められる賃貸料の範囲内で賃貸借契約書案(契約期間は概ね10年以上)を作成、賃貸料の算定根拠、土地建物の登記簿謄本
  7. 現在の経営状態に基づき法人の事業計画書、予算案を作成
  8. 財産目録の作成
  9. 案内図、敷地図、および建物平面図
  10. 債務残高証明および債務引継承認願
  11. 設立決議録および設立趣意書
  12. 医療法人を開設しようとする診療所の概要
  13. 社員および役員の一覧
  14. 職員の一覧
  15. 予定役員報酬の一覧および過去二年間の収支実績
  16. 設立者および役員の履歴書(印鑑証明を添付)
  17. 設立代表者への委任状
  18. 役員の就任承諾書
  19. 医療法人を開設しようとする診療所の管理者就任承諾書
  20. 医師免許証の写し(裏面も)
  21. リース機器等がある場合そのリース契約書および医療法人への引継ぎ承諾書(リース会社等からの承諾書)
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